冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 少し不安になる。責任感の強い彼はきっと命懸けで任務を遂行するだろう。それは討伐隊で嫌というほど見せられた。今この国は戦争していないが、国境近くでの小競り合いや断続的に魔獣狩りもあるし心配だ。

「アランは行くと決めている」
「あなたはどうするの? 学園の方からもお誘いが来ているんでしょ?」

 彼は学園の専科からぜひ来てほしいと言われている。そして首席で卒業した者はたいてい学者の道へ行く。しかし、彼の場合どちらにしろ家督を継いだら片手間になるか、やめなければならない。

「いや、その前にレティシアがどうするのかと思って」
「私は関係ないじゃない」
「じゃあ、俺が騎士団や魔法師団に行くと言ってもついてこない?」
「……」

 ついて行くにきまっている。彼が騎士団に入るなら騎士団付きになるつもりだ。魔法師団になって入ってしまったらどうしよう。取り合えずどうにかついて行く。

「じゃあ、やめとく」

 レティシアの考えを読んだように言う。

「ちょっと待ってよ! それおかしいでしょ? 私がどうするかで将来決めるなんてどうかしてるわ」

 彼の将来を捻じ曲げたくない。

「危ないとか言って反対はしないの?」

 そう言ってリーンハルトがまっすぐにレティシアを見る。

「あなたがやりたいことを止める権利は私にはないわ」
 レティシアがきっぱりと言う。

「だから俺にもとめるなってこと?」
 返答に困る。これはついて行かないと言っておいた方がいいのだろうか。

「私は一年間学園が残っているからちゃんと卒業する。将来を考えるのはそれから」
「わかった」
「リーンハルトはどうするの?」
「実は迷ってる」
 それを聞いて目を丸くする。意外だった。

「リーンハルトでも迷うことがあるのね」
「当たり前だ。俺を何だと思っているんだ」
「それは完璧な義弟だと思っているわよ」
 するとリーンハルトが嫌そうな顔をする。

「どこがだよ」
「だって、何でも出来るじゃない?」
「なんでもできるのと人間性は別だろう。人として劣っていれば、それは完璧ではない」

 リーンハルトが真面目腐って答える。

「なんだか理屈っぽくてよくわからないわ。でも、それならやっぱりあなたは完璧よ」
「やめろ!」

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