冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 多分二人が結ばれることになったのは今世が初めてだと思う。レティシアは自分のループにも意味があった気がして嬉しかった。
 
 二人は王都のカフェで待ち合わせた。
 結婚後はエレインが子爵家を継ぎ、アランは騎士を続けるという。

「うちは領地も小さいし弱小貴族だから、私一人でも、回せるわ」

 そういうエレインは幸せそうだ。

「私も何かお手伝いできることがあったらいって」
「あら、何言っているのよ。シュミット伯爵家は大変でしょ?」

「大丈夫よ。父も母もリーンハルトもいるから」
「でも領地があの規模だと。あなたも支えてあげなくちゃ」
 それは妻の役目だと思うが。そういえば、リーンハルトの縁談の話は聞かない。

「そうねえ……」
 
 レティシアは言葉を濁す。

「それでね。結婚式はうちの領地ですることになったのよ。もちろんあなたも来てくれるわよね」
「ええ、喜んで」

 レティシアは心から祝福した。

「でね、王都でもアランのいる騎士団の人達や学園関係者も呼んでパーティを開きたいと思っているのだけれど会場がなくて。家の領地じゃあ、王都から離れているし。
 どこか教会の施設を借りようかと思って。あなた、心当たりない? 出来るだけ安いところ」

 しっかり者のエレインは安い教会の施設を借りようとしている。

「ああ。それならば、うちを使えばいいんじゃない?」
「え? あの大きなお屋敷で?」

 エレインが目を瞬く。

「でもご迷惑じゃない? それに家格からして分不相応で申し訳ないわ」

 普段は対等な友人同士として付き合っているが、公な場では厳正な身分制度がある。貴族令嬢のエレインはそれをわかっていた。

「何言っているのよ。会場に使うだけじゃない。ちょっとお父様に聞いてみる」

 レティシアは週末に家に帰った。早速父の執務室を訪ねると先客がいた。リーンハルトだ。

「あの、お邪魔ですか?」

 一応お伺いを立てる。

「別に構わないよ。珍しいなレティシアがここに来るのは。何か頼みごとでもあるのかな」
と義父に言われレティシアは赤くなる。確かに彼の言う通り頼みごとがなければここに訪ねて来ない。今度は義父にお茶でも淹れてこよう。

「あの、こんどお友達が結婚するんです。それで」
「家をパーティ会場に貸し出したいのだろう?」

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