冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 そして入学前の適性検査の結果から、バートンに声をかけられた。
 光属性だと早速目をつけられる。バートンの実験に付き合うという事はリーンハルトとの接点になってしまう。どうしたものかと悩んだ。

 思えば前回はなんでも義弟に相談していた。今回は自分で答えを出さなければならない。ついつい悩むとリーンハルトを目で追ってしまう。レティシアは自分の甘さを戒めた。

 しかし、今までのようにバートンの推薦で入学したわけではないから、協力は義務ではない。だが、学園の教師であり高名な学者なので非常に断りにくい。

 それにもしかしたら、呪いのヒントになるようなことを教えてもらえるかもしれない。天秤にかけた結果、再びバートンの研究に協力することにした。協力とは言っても、ただデータを取られるだけだが……。要はリーンハルトと鉢合わせしなければいいだけだ。

 あの剣術の試合以来、レティシアは彼の目に触れないようにしている。もう充分嫌われたのだから、あとは顔を合わせないのが一番だ。同じ学園にはいるものの学年も属性もクラスも違う。
 何よりも大切な義弟の成長を陰ながら見守ることに決めている。

 あとは彼に「可哀そうな人」などと思わせないように努力するだけだ。レティシアは自分に言い聞かせた。
 
 
 学園のカフェテラスで遠目にリーンハルトを見かけることがある。前回は彼と一緒に昼食をとり、サロンで茶を飲んだ。

 リーンハルトは友人が多く、今世でもアランと仲がよい。よく一緒にいる。それも前回と一緒だ。

 そこでふと不安になる。アランに忠告しておいた方がいいだろうか? リーンハルトもシュミット家も恩返しなど望んでいないと。
 足を踏み出しかけて、ふと立ち止まる。それこそ、彼らにとっては余計なおせっかいだ。

 なんだかんだとリーンハルトとかかわりを持ちたいの?

 レティシアは爪が食い込むほどぎゅっと己の手を握り締める。不甲斐ない。

「レティシアはどうしたの? 座らないの?」

 Cクラスに入って間もなくエレイン・ボルドー子爵令嬢と友人になった。

「あ、うん、ちょっとぼうっとしてしまって」

 レティシアは、ローストチキンの載ったトレイをテーブルに置き、エレインの隣に腰を下ろす。

「あなた、弟さんと仲たがいしたの?」
「え?」
「よく目で追っているわよ」
 慌てて首を振る。
< 94 / 159 >

この作品をシェア

pagetop