冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「卒業時Bクラス。すっごい、エレイン頭いい! でもやっぱり危ないから行かないよね」

 確かに上手い話とは思うが、友人が本気で言っているようで心配になる。

「後方支援だし、私行くかも。多分、ギリギリ間に合うのよね。今から二ケ月剣術の勉強するでしょ? それから十か月任期。ちょうど一年じゃない」
「ええ……」

 そこでレティシアも見方を変えてみる。これで戦場に行けば、ミザリーに恨まれる率が下がる気がする。

 それはつまりレティシアの生存率が上がることで、二十歳まで無事生きたら、ミザリーの始末をどうつけるか考えればいい。
 
 殺意がなければ放置で、殺意があれば返り討ち?

「いや、でも戦場で死んだら元も子もないわよね?」

 レティシアは独り言ちた。

♢♢♢

 新学期まで短い学園の休みが始まる。
 レティシアは一端家に帰り、父母に顔を見せることにした。

 最近何かと縁談の話を持ってくるがすべて断っている。その中にはトレバーからのもアーネストからのものもあった。今は縁談など考えられない。毎回毎回二十歳直前で死ぬのだから。
 それにトレバーとか、さすがにあり得ない。

 久しぶりにシュミット家に戻ると家族全員が、サロンに集まっていた。レティシアも呼ばれた。前回はなかった流れにどきりとする。

「レティシア、お前が帰ってきて、ちょうどよかった」
と義父のオスカーが言う。心なしか疲れたような顔をしている。そして義母のオデットもあまり元気がない。ミザリーだけが瞳を炯々と光らせていた。

 ただならぬ雰囲気にレティシアは飲まれそうになる。

「どうしました? なにかありましたか?」
 嫌な予感を抱きつつ。オスカーに聞く。

「リーンハルトが魔獣討伐隊に参加することになった」
 聞いた瞬間レティシアの頭の中は真っ白になる。

「なんで? リーンハルト、参加要件に達していないと言ってたじゃない」
 考えずに口走る。
「は? 何をいっているんだ? レティシアにこの話をした覚えはないけれど」
 リーンハルトが不快そうに眉根を寄せる。

「そんな、どうしてそんな危険な場所に行くの? 危ないじゃない。あなたは頭がいいんだから専科に進めばいいじゃない」
「もちろん、戻ってきたら、そのつもりだ」
 義弟がレティシアの言葉に、怪訝な表情を浮かべる。 

「戻ってきたらって、そんな……」
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