甘く、溶けるように。


それに、芹沢くんと一緒に相合傘して帰ったら、次の日何を言われるか分からない。



誰に?と聞くのは愚問だろう。



クラスの女子だけだったら、まだマシかもしれない。



私が一番恐れているのは、全校女子生徒からのヘイトを向けられることだ。



先輩たちに呼び出されて、酷い目に遭わされたら…と思うと、それだけで鳥肌が立つ。



そんな人いないかもしれないけど、念には念をってよく言うからね。



「…でも、傘ないんじゃないの?」



芹沢くんは「ほんとに?いいの?」という目で見てくる。



「………何とかするよ」



頼りたくなるのを何とかこらえて、それだけを絞り出した。



「……そーゆーことしてるから、ダメなんじゃん」



「え?」



ボソッとこぼした芹沢くんの一言が聞き取れず、首を傾げる。



「なんでも。ほら、行くよ」



「はっ…?せ、芹沢くん…っ!?」



すると、急に手を繋がれてそのままずんずん進んで行く。



「ねぇ、どこ行くの!?」



廊下を歩く私たちの組み合わせに、辺りの生徒はきゃあきゃあ悲鳴を上げながら凝視して。



一部の女子は泣いていた。
< 18 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop