甘く、溶けるように。
それに、芹沢くんと一緒に相合傘して帰ったら、次の日何を言われるか分からない。
誰に?と聞くのは愚問だろう。
クラスの女子だけだったら、まだマシかもしれない。
私が一番恐れているのは、全校女子生徒からのヘイトを向けられることだ。
先輩たちに呼び出されて、酷い目に遭わされたら…と思うと、それだけで鳥肌が立つ。
そんな人いないかもしれないけど、念には念をってよく言うからね。
「…でも、傘ないんじゃないの?」
芹沢くんは「ほんとに?いいの?」という目で見てくる。
「………何とかするよ」
頼りたくなるのを何とかこらえて、それだけを絞り出した。
「……そーゆーことしてるから、ダメなんじゃん」
「え?」
ボソッとこぼした芹沢くんの一言が聞き取れず、首を傾げる。
「なんでも。ほら、行くよ」
「はっ…?せ、芹沢くん…っ!?」
すると、急に手を繋がれてそのままずんずん進んで行く。
「ねぇ、どこ行くの!?」
廊下を歩く私たちの組み合わせに、辺りの生徒はきゃあきゃあ悲鳴を上げながら凝視して。
一部の女子は泣いていた。