甘く、溶けるように。
なんだか本当に反省してそうなトーンで言われて、ちょっと拍子抜け。
芹沢くんの方を見ると、なぜか芹沢くんの耳もほんのり赤くなっている気がした。
「芹沢く…」
「せっかくだから、雨が弱まるまでどっか行かない?」
私の声を遮るようにそう言った芹沢くん。
聞きたいのをぐっと飲み込んで、違う問いかけをした。
「どっかって…?」
「んー、適当にカフェとか」
ここら辺にカフェなんかあったっけ…?
高校の周りにコンビニとかは何件かあるものの、カフェなんて洒落た店は見たことない。
「穴場スポットがあるんだよね」
「へぇ…?」
芹沢くんがそう言うならあるのだろう。
高校を出て10分ほど歩くと、それっぽいお店が見えてきた。
普段に通学路を歩いてるだけでは見つからないような、たしかに穴場スポットと言えるかもしれないところにあった。
「よくこんな場所知ってるね…」
ここならうちの高校の生徒も来ないだろうし、外装しか見てないけど落ち着いた雰囲気ですごく良さげ。
「たまたま見つけた。まぁ入ろ」
「あ、うん」
芹沢くんから離れて、傘を閉じた芹沢くんと一緒に扉を開ける。
「いらっしゃいませー…って、冬貴くんじゃない」