甘く、溶けるように。


でも、それも気のせいだったかのようにまた一瞬で明るい表情に戻る。



「ま、頑張んなよ。応援してる」



「う、うん…ありがと」



やっぱり気のせい…?



でも……。



なんとも言えない気持ちになって、芹沢くんとの間に変な沈黙が流れた。



それをかき消すように教室のドアが開いて、担任の先生が入ってきたからとりあえず前を向いた。



この朝の会話で、芹沢くんについてちょっとだけ詳しくなれた気がする。



芹沢くんは思ってたより優しくないってことと…。



みんなには見せていないような、裏の一面があるかもしれないということ。



なんて、私の深読みしすぎなだけかもね。

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