俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
 息を吸ってひと思いに告白してしまおうとした。しかしそれを彼が止めた。

「なんで最後まで言わせてくれないんですか? そんなに迷惑――んっ」

 小さなキスが落とされて、私は突然のことに目見開いた。

「やっと黙ったな。お前はすぐ暴走する」

 小さく笑った彼がそう言うと私の目の前に立ち私の両手を握って視線を合わせた。

「未央奈、好きだ。俺と真剣に向き合って欲しい」

「あ……えっ」

 自分が言おうと思っていた言葉を、先に言われてしまった私はどう返事していいのかわからずにパニックになる。

 そもそも自分から告白するつもりだったのだから、返事なんて用いしていない。

「林さんから守るため、俺の見合いを取りやめるため。色々とダサい言い訳ばかりしてすまなかった。ただお前が欲しいって言えばよかっただけなのに。ごめんな」

 目頭が熱くなって涙の膜ができているのがわかる。

 彼が私を好きだて言っている……。嘘じゃないよね。

「思い返せば初めてあったとき、元カレの結婚式でひとり耐えながら戦っていた未央奈を見たときにすでにこうなるような気がしてた」

「な、なんであんなひどいシーンで?」

 正直いってあれは私にとっては黒歴史以外の何物でもない。

「ひとりでがんばっている姿がけなげで、たくましかったから」

「もう」

 私が繋がれていた手を振りほどいて、こぶしを作り彼の胸を叩こうとした。しかし彼がその腕を取り、私を引き寄せて抱きしめる。

 背中に回された手、大きな胸に顔をうずめるといつもの彼の香水がかおる。彼が私の頭に顔をうずめて、私に回した腕に力を込めた。

「未央奈、好きだ。好きなんだ」

 心の奥野柔らかい部分にダイレクトに届くような純度百パーセントの好きという言葉に、私の胸は痛いほど締め付けられる。

 それと同時に目からは歓喜の涙がこぼれた。

「私も大輝さんが好きです。失敗ばかりの私ですけど、あなたの隣で成長したい」

 これからもカッコ悪いところを見られるだろう。人生も仕事も失敗ばかりの私だから。それでもそれを彼に見ていて欲しい。そして時には叱って時には甘やかして欲しい。

 それは他の誰でもいいわけなじゃない。彼じゃないとダメなんだ。

「まぁ、失敗はほどほどにな」

「もうっ、人がせっかく真剣にっ――あっ、んっ」
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