俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
「こればかりはコンシェルジュに頼むわけにはいかないしな。気づかれないように準備しようと思っていたのに……納得したか?」

「うん、でもこういうの持っていそうなのに、ね?」

 恥ずかしさをごまかすために、口に出した言葉に大輝さんがむっとした。

「悪かったな。ここ最近まったく使うチャンスがなかったって言ったら満足か?」

 前に立つ腕を組んだ大輝さんの顔がじりじりと迫って来る。

「と、とんでもない」

 私は彼の視線から逃れようと、顔をそむける。

「事実、お前とのあの日もずいぶん久しぶりだったし、それからも全くだ。わかったら、覚悟決めろ」

「え、何で私が覚悟?」

 顔を上げると、呼吸が感じられるほど彼の顔が近くにあった。

「俺の情熱を受け止めるのは、お前だけだからだよ」

「あっ」

 言い切るやいなや、彼は私を抱き上げた。そしてそのまま一瞬かがむ。

「それ、未央奈が持って」

 彼が視線で示したのは、例のあれが入っていコンビニの袋だ。私は言われるままソファの上においてあったそれを手に持った。

 するとなんだか必死になって大輝さんを捜していたを思い出しておかしくなって笑ってしまう。

「何笑ってるんだ」

「いや私、両想いになったその日に逃げられたのかと思って、大輝さんクローゼットの中まで探しちゃった」

「はぁ? なんでそんなことになる。こっちは、お前を抱くために必死になってコンビニまで走ったのに」

 なんだかその姿を想像して笑ってしまう。そんな私に彼は不満そうだ。

 ロマンチックのかけらもないけれど、彼の気持ちがうれしくてしかたない。

「ねぇ、大輝さん」

「なんだよ、もう笑うな」

 足音を立てながら彼が私を寝室に運ぶ。彼の首に回した手に力を込めて私は囁いた。

「早く、キスして」

 純粋な気持ちだった。彼に会いされたいと思った。スマートな夜じゃないけれど、愛しくて胸が甘く苦しい。

「わかったよ。ったく、可愛すぎるだろ」

 わずかに顔を赤くした彼の照れた顔を初めて見た私は、自分の胸が最高潮に高鳴る音を聞いた。

 ふたりの体を受け止めたベッドが音を立てる。

 これまでもふたりで使っていたベッドのはずなのに、いつもと違うと思うのはこれから起こることに緊張と戸惑いと甘い期待があるからだろうか。
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