俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
「え、はい。写真はないかもしれませんが、プロフィールは。あ、写真もありました」
まとめてあるファイルから、写真と用紙を取り出し手渡した。すると天川課長はそれらを難しい顔で食い入るように見ている。
「豊川さんがどうかしたんですか?」
「え、うん。でも……違うわよね」
天川課長がタブレットを操作しはじめると同時に、ちょうど部屋に大輝さんが入って来た。
「御杖部長、おつかれさまです。あの、ちょっとよろしいですか?」
それに気が付いた天川課長が、彼に豊川さんの資料を見せた。その顔がすぐに曇り、天川課長のタブレットを手に取ると操作をして眉間に深い皺を刻む。
「このカップルの式は取りやめだ。天川課長あとの処理をお願いできますか?」
「はい」
「えっ、そんな。おふたりともすごく楽しみにしていたのに、いきなり何を言い出すんですか?」
上司ふたりが淡々と話を進めるのを聞いて到底納得できない。
私はすでに事務所を出ていた大輝さんの後を追い、廊下で追いつくと背後から声をかけた。
「理由を教えてください。一方的にダメだと言われても納得できません。なんで私のここでの最後の仕事を奪うんですか?」
振り向いた彼は上から威圧的に私を見下ろしていた。
「そんなくだらない理由で、式を中止するとでも? 冷静になれ。俺はお前のことをかいかぶりすぎていたみたいだな」
「……っう」
彼の言葉が胸にぐさりと刺さる。でも確かに彼の言う通りだ。感情的になってしまっている。
「詳しい話は天川課長に聞け。いいな」
それ以上何も言えなかった私は、頭を下げて彼がその場を去るのをじっと待った。
事務所に戻った私に、天川課長が理由を説明してくれる。
「この男性の方、結婚詐欺で前科があるわ」
「えっ、そんな!」
タブレットを覗き込むと、そういった類の社内秘の資料が表示されていた。そこに豊川さんの名前と写真がある。
「うそ……でしょ。じゃあ、小田さんが騙されているってこと?」
「それは調べないといけないわね。すごくデリケートな話だから間違いは許されないわ。まずは新郎から話を聞き出しましょう」
「そう……ですね」
まさかあのふたりがそんな……。小田さんのウエディングドレスを試着したときの笑顔が脳裏に浮かんで胸が苦しくなる。
まとめてあるファイルから、写真と用紙を取り出し手渡した。すると天川課長はそれらを難しい顔で食い入るように見ている。
「豊川さんがどうかしたんですか?」
「え、うん。でも……違うわよね」
天川課長がタブレットを操作しはじめると同時に、ちょうど部屋に大輝さんが入って来た。
「御杖部長、おつかれさまです。あの、ちょっとよろしいですか?」
それに気が付いた天川課長が、彼に豊川さんの資料を見せた。その顔がすぐに曇り、天川課長のタブレットを手に取ると操作をして眉間に深い皺を刻む。
「このカップルの式は取りやめだ。天川課長あとの処理をお願いできますか?」
「はい」
「えっ、そんな。おふたりともすごく楽しみにしていたのに、いきなり何を言い出すんですか?」
上司ふたりが淡々と話を進めるのを聞いて到底納得できない。
私はすでに事務所を出ていた大輝さんの後を追い、廊下で追いつくと背後から声をかけた。
「理由を教えてください。一方的にダメだと言われても納得できません。なんで私のここでの最後の仕事を奪うんですか?」
振り向いた彼は上から威圧的に私を見下ろしていた。
「そんなくだらない理由で、式を中止するとでも? 冷静になれ。俺はお前のことをかいかぶりすぎていたみたいだな」
「……っう」
彼の言葉が胸にぐさりと刺さる。でも確かに彼の言う通りだ。感情的になってしまっている。
「詳しい話は天川課長に聞け。いいな」
それ以上何も言えなかった私は、頭を下げて彼がその場を去るのをじっと待った。
事務所に戻った私に、天川課長が理由を説明してくれる。
「この男性の方、結婚詐欺で前科があるわ」
「えっ、そんな!」
タブレットを覗き込むと、そういった類の社内秘の資料が表示されていた。そこに豊川さんの名前と写真がある。
「うそ……でしょ。じゃあ、小田さんが騙されているってこと?」
「それは調べないといけないわね。すごくデリケートな話だから間違いは許されないわ。まずは新郎から話を聞き出しましょう」
「そう……ですね」
まさかあのふたりがそんな……。小田さんのウエディングドレスを試着したときの笑顔が脳裏に浮かんで胸が苦しくなる。