【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
「ありがとうございます」
 クラークは、目の前のテーブルの上に飲み物を置いた。
「俺も初めて訪れたが、さすが隣国からきた技術であって、知らないことが多い」
 ストローに口をつけながらクラークは言った。
「こうやって、たまに街へ遊びに来るのも悪くはないな」
「そうですね」
 できればその隣に自分がいたいと、オリビアは思っている。
「これも買ってきたんだ」
 ジャケットのポケットにくるくると丸めて入れてあったのは、パンフレットのようだった。表紙には大きく『禁じられた遊戯』と書いてある。
「話の内容もわからないし、後で見返すのも悪くはないかと思ってな。出演している役者などの名前も書いてあるようだ」
 そう言った彼は、パンフレットをオリビアの前に差し出した。
 大きく目を瞬いてから、オリビアはそれを受け取った。
(これが、噂で聞いたデートというものなのかしら……)
 結婚する前の男女が『デート』をして仲を深めるという話も、たびたびお茶会では話題になった。あそこの誰々とあそこの何某がデートをしていたと、そんな話が飛び交うのだ。さらに、付き合っているだの別れただの不倫ではなど、そこに尾ひれも背びれもつく。
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