この先も、ずっと紺くんと一緒に


子供の頃に来た時と変わらない浴衣のデザイン。

(昔、ママとパパとが着ていたものを今はわたしと紺くんが着ているなんて、なんだか不思議な気分です。)


そんなことを思っていると、お部屋にコンコンとドアを叩く音が響いた。

「はい」

紺くんがそう返事をして、立ち上がる前に急いでドアを開けるわたし。

そして、訪ねてきた女将さんと小声で話を済ませた。

「初?なんだったの」

「お、お料理をお持ちしますというお話でした!楽しみですね」


「ああ、もうそんな時間か。あっという間だったな」


(な、なんとか誤魔化せました。)

実は今日、わたしは紺くんにあるサプライズを用意している。

学園長がりぼんのお宿のことを口にした時、わたしはママとパパとの思い出と同時に紺くんのことを思い浮かべた。


それは、ここで食べた夕食が忘れられなかったから。


30分後、予定どおり運ばれてきた夕食と、戻ってきた広報さん。


この辺りで捕れた新鮮な魚介類や、ブランド牛が並ぶ中、ひときわ目立つ“それ”はテーブルの真ん中に置かれた。



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