※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。
和紅茶をたっぷり堪能した二人は帰る前にカフェに併設されているショップに寄った。
普段は質素倹約を常としており安易に散財はしない紗良だが、紅茶関連のことに関してはつい財布の紐が緩んでしまう。
(滅多に来られないんだから、たくさん買わなくちゃ!!)
買い物欲が爆発した紗良はまずは飲み比べが出来るように品種の異なる和紅茶三種類をカゴの中に入れた。和紅茶の他には日本茶も試したいところだ。
しまった、手作りのゆずジャムのクッキーなんてものもある。これ絶対和紅茶に合うやつだと確信し、更に追加でカゴに投入する。
ショップの中を一周し商品を物色し終えた紗良はカゴの中を見てぎょっとした。
(ちょっと買い過ぎたかな……?)
またしばらくは節約しないといけなさそうだ。とりあえず新しく買い直そうと思っていた通勤用のパンプスは諦めよう。
「四千五百円です」
レジ前で合計金額を聞かされ紗良は断腸の思いで財布から五千円札を探り当てた。これも紅茶のためなら安いものだと、トレーの上に出そうとした時、背後から静流の腕がのびてきた。