※エリート上司が溺愛する〈架空の〉妻は私です。

 スピカの営業が終わった後、紗良は弥生に自分の想いを語った。
 紅茶フロートの提供を続けたいということ。でも常連客には迷惑を掛けたくないということ。
 弥生はうんうんと頷き、紗良の意を汲んでくれた。

「紗良ちゃんの気持ちはよくわかったわ」
「少し考えてきたんですけど……。こういうのはどうですか?」

 二人で話し合った結果、紅茶フロートは土日の夕方から夜までの限定メニューにすることになった。提供時間を休日の夜に絞るという紗良の提案が全面的に採用された形になった。
 昔からの常連客の多くは午前中から夕方にかけて来店するので、これで客層の差別化ができるという計算だ。
 紗良の予想は当たり昼間の混雑は解消され、再びミツコが紅茶を楽しんでいくようになった。

「続けられることになって良かったですね」
「静流さんの助言のおかげです」

 紗良は上機嫌で静流の肩にぴたりと寄り添った。この人と恋人になれて幸せだと改めて思ったのだった。
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