ジェラシーを彷徨わせて



わたしの肩口に頭を預けていた凪をなんとか叩き起こして、びよーんとほっぺを引っ張る。


肌に吸い付くような感触と毛穴ひとつない陶器肌、……凪は骨格から整っているけど、顔の造形というか、パーツの配置も非の打ち所がない。


……ほんとううにこの男はどこまで"綺麗"なんだろう、いっしょう遺伝子に感謝して生きてほしい。
 

『"朝起こしに来てほしい芸能人ランキング"1位だって』

『ランキング特殊すぎん?』

『こんなに綺麗なひとが起こしに来てくれたら、それは起きるよね。……凪だって、すきでしょ?』

『………あー、ん、そーね』


ぽやっとした表情のままテレビを横目に見た凪は、ちいさく欠伸を零す。すると頬をつねっていた指をゆるく解かれて、凪の手のひらを重ねられると、ぎゅ、と、子供みたいな力が込められた。


『わるい、もー限界……』

『っ、〜〜〜だから、ここで寝ないで!』
 

─────という会話を経ての、いま



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