ジェラシーを彷徨わせて
「、そんなの言った?」
「……お皿そこ置いておいて、あとで洗うから。じゃあさよなら」
「怒んなルカ、……ウェイト?」
「犬扱いしないで!!……〜っぅ、?」
いつの間に回りこんだのか、……じっと上から見下ろすように瞳を投げかけられて、ドクリと心臓が早鐘を打つ。
その一瞬を縫うように伸ばされた腕に捕まって、とじこめられた。
「じゃあ、……このかわいーの、俺のためってこと?」
すん、と、掬った髪に鼻先を押しあてて、伏し目がちな瞳をゆるりと細める。
余裕たっぷりなその表情、……わざわざそんなことを聞かなくても、もう凪はわかっている。こちらの意思も思惑もぜんぶ見透した上でわたしの"言葉"を欲しがる凪は、タチも意地もわるい。
「………が、……ぅ」
「るかチャンもっかい」
「……な、なぎのためじゃ、ない」