殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
「あの時の事を謝らせてほしい」
「なんの事でしょうか……?」
「婚約者候補から外した事や、恋をしたいと言った事について。私はバカだ……すまなかった」
頭を下げるウィルフレッド殿下。
「謝罪なんて結構ですよ。殿下の意思を尊重致します」
にこりと微笑んでみるが何の事かいまいち分からないのだけど……
「カテリーナ……君の事が好きなんだ。離れてみてようやく分かった……情けない話だが私は……このような感情に鈍いようだ」
今まで見た事のない自信のなさそうな表情で話をするものだから、どうして良いのか分からない。
「これから努力をするから、婚約者候補とは言わずに、婚約者として私を支えて欲しい」
カテリーナの前に跪き手を取り頭を下げる。その頭はどんどん……低くなりもうすぐ地面に着きそうになる。
「殿下! 頭を上げてください……」
恐る恐ると言った感じで頭を上げてくる。ビクビクとして耳が垂れ、尻尾がすとんと落ちている子犬のようである。
救いを求めるような目を向けないで下さい! イケメンのこのような姿……眼福ではあるが、この人は王子殿下であらせられる。
「……カテリーナ」
取られている手を自身の頬に擦り寄せる。ど、どうしてそのような行動になるのですか。
やめてよぉ……!!
「す、すぐに答えは、だ、出せません。マドレーヌ様や家族に相談をしないと……」
手を離して欲しくて力を入れるが離してくれません、鳥肌がたってきました。