サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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仕事が終わりクリニックの外に出ると、壁にもたれ掛かり腕時計で時間を確認するイケメンを発見。
どこかのモデルかと思いきや、よく見ると財前さんじゃない。
視線が合った彼は私の元に歩み寄り、優しい笑みを浮かべながら躊躇なく私の手を握った。
空港内だというのに……。
退勤後に食事をすることもたまにあるけど、こんな風に職場まで迎えに来ることは無かったのに。
駐車場で待ち合わせしたり、マンションで待ち合わせたり。
彼の立場上、他の人の目があるから出来るだけ避けてたのに。
いつもと違う雰囲気の彼に少しだけ不安を覚えた。
彼の車で訪れた場所は大きな門構えをしていて、レストランにしては敷地が大きすぎるような。
もしかして、結婚式場?!なんて脳内で勝手に自動変換した、次の瞬間。
視界の先に映った二文字に心臓が凍り付いた。
『財前』と。
彼のご実家なんじゃないっ!!
聞いてないよぉおおっ!!
手土産用意してないし、そもそもカジュアルな私服なんだけど?!
どうにもこうにも思考が追い付かなくて、足が震え出す。
しかも追い打ちをかけるように彼が放った言葉が、『両親にも知らせてない』ですって!!
どうかしてるって!
彼に手を引かれ、ドラマで見るような財閥の邸宅内をずんずん歩かされる。
重厚感のある玄関にも圧倒されたけど、それ以上にあちこちに点在する調度品の数々に腰を抜かしそうになる。
いつの時代の物か分からないけど、ガラスケースに保護されてる白磁が目を惹く。
あれ一つで数千万以上はしそうだ。
そんな調度品が点在する廊下を進んだ先に彼のご両親はいた。