サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)

***

「最近、目が疲れるんですか?」
「………ん」
「瞬きしたりぎゅっと瞑ることが増えた感じがします」
「……だろうな」
「無理しないで下さいね?」
「ん」

彼女の運転で帰宅中。
前は自分で運転していたが、さすがに横に乗せるのも不安になって来た。
酒井が父親に俺の目の具合を報告したようで、『運転手をつける』と言い出した。
もうそういう時に来たのかもしれない。

「なぁ」
「……はい?」
「休みを連休で取れるか?」
「連休ですか?」
「ん、出来れば三連、無理でも二連休で」
「二連ならいつでも取れると思いますけど」
「じゃあ、次の二連で遠出しないか?」
「遠出?……旅行ですか?」
「ん、……嫌か?」
「全然っ!!凄く嬉しいですっ!明日、早速確認してみますね!」
「ん」

嬉しそうな表情の彼女。
恋人同士なら旅行なんて幾らでも行けるだろうが……。
俺は彼女の笑顔をあと何回見れるだろうか?

「あ、……パスポート持ってるか?」
「……持ってますが、……えっ、まさか海外ですか?」
「ん」
「一泊二日で?!」
「だから、三連欲しいって言ったんだよ。まぁ無理なら、深夜便で寝る時間を移動に費やすけど」
「………」

恐らく、最初で最後の旅行だと思うから。
彼女と同じ景色を見るなら特別な場所に連れていってやりたい。

「どこに?……秘密ですか?」
「俺が操縦士として初めて国際線をフライトした時に見た景色とだけ教えとくよ」
「えぇ~っ、それじゃあ全然分からないです~っ」
「フフフッ」

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