サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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早番の仕事を終えクリニックを出ると、彼がそこにいた。
「終わったか?」
「はい」
私たちは小さめのキャリーを引き、三階の出発ロビーへと向かう。
退勤時間に合わせたフライトらしい。
ファーストクラスの機種が無いため一つ下のビジネスクラスらしいが、私にとったら贅沢すぎる。
事前に彼がチェックインを済ませておいたらしく、そのまま保安検査場へ。
一泊二日の旅行のため、機内持ち込みサイズのキャリーにしてある分、荷物を預けずに済む。
保安検査を済ませ、出国審査を通過し、搭乗ゲートへと向かう。
いつも見る景色なのに、初めて見る景色のように感じる。
羽田発→香港行。
十七時二十五分発 ASJ 2605便。
五時間十分のフライト。
彼の国際線デビューの路線だからかな、凄く楽しみ。
「何か食べるか?」
「機内食あります?」
「ある」
「じゃあ、いいです」
「なら、時間までラウンジで時間潰すか」
「はい」
勿論、ASJの空港ラウンジへ。
行く先々ですれ違うASJのスタッフに挨拶されるけれど、だいぶこの光景にも慣れて来た。
習慣って怖い。
***
「彩葉、そろそろ時間」
「はい」
搭乗ゲートへと向かうと、そこには酒井さんがいた。
「本部長、これを預かって来ました」
「お、サンキュ」
「楽しんで来て下さい」
「いってきます」
酒井さんに見送られて機内へと。
機内の入口にスタンバイしていたCAが座席へと案内する。
機体前方のドアから機内に入ると、操縦士二人がお出迎え?!
さすが、VIPが搭乗するとなると次元が違うらしい。
彼に挨拶を済ませた操縦士二人は操縦室へと消えた。