サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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朝食を終えた私たちはとある場所へと向かった。
「この地図、分かります?」
「ん?………この先を右っぽいな」
スマホのナビで行きたい場所をセットしたまではいいけど、何故か迷子気味。
見慣れぬ文字に踊らされて眩暈がしそう。
その点、彼は英語だけでなく五か国語が話せるらしくて。
ホントに出来ないことがないんじゃないかと思うくらい凄い人。
「ここっぽいな」
「赤松黄仙祠って書いてあるからそうみたいですっ」
薔色園黄仙大祠という名の寺院。
香港で最も多く参拝者が訪れる寺院らしく、『あらゆる願いを叶える』として有名で。
九龍と島獅子山の麓に位置していることもあり、パワースポットして有名な場所。
特に、病気の治癒や占術の力を持つというから、是非ともあやかりたい。
「赤松黄大仙祠から入り正面の階段を上がると、『点香区』という線香を灯す場所に三つの香炉があり、その三つの香炉全てに線香を立てる……とあります」
「ん」
スマホで事前に調べておいた参拝の仕方。
彼も初めてらしくて、スマホで確認しながら周りにいる地元の人の仕草を真似る。
「そしたら、本堂にある香炉に願いを込めて線香を立てればOKです」
「了解」
平日だけど、沢山の参拝者がいる中、私たちも本堂の香炉に日本の線香より遥かに長い線香を立てる。
………彼の眼が治りますように。
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「本当に入るつもりか?」
「もちろんっ!」
「ここで待ってるんじゃダメか?」
「ダメですっ!」
「………」
九龍島にある旺角にあるスニーカー街。
正式には花園街という場所で、沢山のスニーカー店が軒を連ねている。