サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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「黒でいいんですか?たまには違う感じの色にしたらいいのに」
「スーツから取り出す時にビビットな色だと目立つだろ」
「それがお洒落でいいのに」
「そういうものか?」
「そういうものです!」
「さっぱり分からん」
「分からなくてもいいですっ!私が買うんだから、私の好きな色にします!クレームは受け付けません」
「強気な発言だな」
「郁さんに似て来ただけです」
某ブラントのショップで、彼女が俺にキーケースを買うと聞かない。
今使ってるのが壊れたとか古くなったとかではないんだけど、旅行の記念だと。
普段は黒かグレーのダーク系の色目で持ち物は統一してる。
だが、彼女が明るめの深みのあるブルーのキーケースを買うと言って聞かない。
まぁ、イタリアの男なら持ってても違和感なさそうだが、俺が持ってても大丈夫か?
そんな不安がほんの少しだけ過った。
けれど、彼女からの初めてのプレゼントだから、有難く貰うことにする。
本当は一ドルも使わせたくなかったのに。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、大事にする」
「キーケースを贈る意味、知ってます?」
「意味なんてあるのか?」
「ありますよ」
「へぇ~、どんな意味?」
「ご自分で調べて下さい」
「ケチだな」
「庶民ですから」
***
「陳先生、請去淺水灣」(訳:陳さん、レパルスベイにお願いします)
「我知道了」(訳:了解です)
「どこ行くの?」
「のんびり出来るところ」
少し遅めの朝食も、沢山歩き回ったから消化した頃だと思って。
ゆったりしながら昼食を摂って、帰国の時間までのんびり過ごそうかと。