サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
九月上旬の香港の気温は三十度を超え、日差しも強いし結構暑い。
海風に長い髪が靡き、彼女はそれを手で押さえながら振り返った。
「風が気持ちいいですねっ」
リゾートビーチのレパルスベイ。
白い砂浜と青い空。
花柄のワンピース姿の彼女。
スカートの裾が風に揺れ、美しさが絵になる。
羽織っていたカーディガンを脱ぎ、肩が露わになった。
燦燦と降り注ぐ太陽の光が彼女を照らす。
彼女は眩しそうに額に手を当て、嬉しそうに燥いでいる。
「イイ女だな」
「……何か言いました?」
「ん、言った」
「何て?」
「秘密」
「えぇぇぇ~~っ」
俺の元に駆けて来た彼女は勢いのまま俺に抱きついた。
「お腹空きましたっ!何か食べに行きましょっ!」
「色気より食い気か?」
「だって、いい匂いがするんだもん」
「フッ」
「行きましょ?……ね?」
「ん」
ビーチ沿いにあるレストランからシーフードが炙られた香りが漂って来ている。
彼女はそれが気になって仕方ないようだ。
魚介類好きの彼女のためにここへ来たのだから。
「好きなだけ頼んでいいぞ」
「ホントですか?!」
「ん」
「やったぁ~~」
レストランお勧めの料理を幾つか注文し、彼女は目の前のグリルでロブスターと貝を焼いている。
「髪の長い女性と短い女性はどっちが好きですか?」
「どちらでも」
「じゃあ、うどんと蕎麦ならどっちが好きですか?」
「……うどん?」
「パンと白米なら?」
「白米」
「夏と冬なら?」
「昼なら夏、夜なら冬」
「海と山なら?」
「うーん、微妙に海が勝つかな」
「女医と看護師なら?」
「環 彩葉」
「フフフッ、何ですか、その満点の答え」
「言わせたかったくせに」
「バレてました?」
「ん」