サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)

***

「お先に失礼しま~すっ」
「お疲れ様でした」

早番勤務が終わり、十六時五分にクリニックを出ると。

「ただいま」
「っ?!お帰りなさいっ!!」

病院の入口ドアの横にもたれ掛かっている彼がいた。
一週間ぶりに見た彼は、少し日に焼けたのかな?
肌が少し小麦色に近い色になっていた。

「運転して」
「はいっ」

目の前に出されたのは、私が彼に贈ったキーケース。
早速使ってくれていることに嬉しさがこみ上げて来た。

「お土産は?」
「後で渡す」
「わぁ~楽しみ~」
「大したもんじゃないぞ?」
「気持ちが嬉しいんです」

彼の腕に自分の腕を絡ませて、駐車場へと歩き出す。

「どこに行ってたの?」
「秘密」
「えぇ~、教えてくれないの?」
「まだ未発表だし、企業秘密だから」
「そっか」
「何食べたい?」
「お寿司!」
「言うと思った」
「そなの?」
「ん」

本当になんてことない会話。
だけど、これが恋人同士のあるべき姿だと思うから。

特別なことなんて何も要らない。
平凡でいつもと何ら変わらないそんな時間を積み重ねていくのが幸せだから。

彼との関係はドキドキハラハラすることが多すぎて。
何でもない日常が一番なんだとつくづく感じる。

ありのままで。
ただ時が流れるのをゆったりと過ごすだけで。

***

「暫く仕事に専念するため、運転手つけることにしたから」
「え?」
「時間も今まで以上に不規則になりそうだし、一応先に話しておく」
「………はい」
「ごめんな」

私なんかと立場が違うんだもん。
我が儘は言えない。
だけど、これ以上無理したら、絶対体によくないのに……。

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