サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)

「話を整理すると、この返事をくれた眼科医が俺の治療をしてくれるということか?」
「はい」

彼女の説明では、俺が眼窩腫瘍だと診断された当時は成功率五%の手術も、現在では新型機種の導入や術後の医療ケアの向上もある上、飛躍的に医術が進歩しているという。

世界でも数本の指に入るほどの眼科外科医に相談し、俺の手術と治療を申し出たというのだ。

「英語で書かれているので、ご自身で読んで頂ければある程度は分かると思います。専門的な用語が分からない場合は、主治医に聞いて頂ければ分かると思いますので」
「………」

会わない間に彼女は俺のためにこんなことまでしてくれていたのか。
そうとも知らず、俺は別れることばかり考えていたというのに。

「話の内容は理解した」
「では、私はこれで失礼します」
「送ってやれないぞ」
「大丈夫です。タクシー拾いますから」

彼女は残りの珈琲を一気飲みして立ち上がった。

「ご馳走様でした。おやすみなさい」
「……おやすみ」

彼女は振り返ることもせず、帰って行った。

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