サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)

完全に心の最奥を読み取られたようだ。
かと言って、はいそうですかと、簡単に折れるような俺じゃない。
そもそも、誰かに話せるようなことなら、とうに誰かに相談している。
出来る環境にないから、必死に我慢して一人で抱え込んで来たのに……。

「何様のつもりだ」
「神様でも仏様でもないですし、勿論、奥様でもないですよ」

ジョークのつもりで言ったのだろうが、全然笑えない。

「主治医でもないのに出しゃばるな」
「そんなこと言っても無駄です。ここで引き下がったら医者の名折れです」
「フッ、生意気な」
「すみません、こういう性格なんです」

一向に引き下がる気のない彼女は、視線を逸らすこともせず、その瞳には芯の強さが窺える。

「分かった、こうしよう」
「………」
「お互いに一つずつ条件を出し合うってのでどうだ?」
「………分かりました」

このまま平行線だと時間の無駄。
どうにかこうにか事態を収拾したくて、仕方なく条件を呑む形に収めた。

彼女の腕を離し立ち上がると、彼女は上半身を起こしてソファーに座った。

「条件は何だ」
「……一日一回、必ず私の診察を受けて下さい」
「はぁ?」

一日一回だと?
何寝ぼけたこと言ってんだ、この女は。

「診察した上で必要であれば点滴もしますし、注射だろうが服薬だろうが治療方針に従って貰います」
「ふざけてんのか?」
「ふざけてませんよ、至って真剣です。私だってしたくてしてるんじゃないですから」
「……休みの日はどうするつもりだ」

俺は無休で働いているようなものだから構わないが、彼女は違う。
休みの日にわざわざ勤務先まで来るつもりなのか?

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