サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)

「自宅が近いんですよね?前にそう仰ってましたものね」
「……まさか、自宅にまで来るつもりか?」
「はい、そのつもりです」
「怖いもの知らずだな」
「何とでも仰って下さい」
「……後で後悔しても知らないからな」
「ご心配なく」

イカれた女だ。

「財前さんの条件とは?」

交換条件として、一つ出すとすれば……。

「酒井と両親以外には絶対に漏れないようにすること。俺と毎日会うことで診察及び治療をしていると疑われるようなことも含めて無いように頼む」
「………分かりました」
「本当に出来るのか?」
「……財前さんの協力も必要だと思いますが、出来ないことは無いと思います」
「フッ、……なら、交渉成立ってことで」
「はい」

環医師は立ち上がり、自分が座っていた場所へと手で合図する。
俺は仕方なく、決済書類が入ったケースと万年筆を手にしてソファーに横になった。

血圧、脈拍を測った上で点滴が施される。
ポールハンガーを利用して輸液パックを吊るした彼女は、腕時計を見ながらクレンメを調節した。

「三十分だけ我慢して下さい。それと、携帯を」

抜かりがない。
連絡先を交換することを忘れないとは。
環医師はカルテでは無さそうだが、ノートらしきものに今日の診療内容を記しているようだ。

「質問、……いいか?」
「はい、遠慮なくどうぞ」
「金に困ってるのか?」
「は?」
「いや、金に困ってる意外に考えられないだろ。わざわざ自分の首を絞めるような真似を買って出るようなことをするからには…」
「財前さんほど財力に余裕はないですけど、困るほどではないです」


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