サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
「えっ………と、仰られたことがよく理解出来ないんですけど……?」
何なの?
小説や映画でよくある『財閥の御曹司との秘密の契約』みたいじゃない。
「具体的に申し上げた方が分かり易いですかね?」
「……お願いします」
「例えば、毎日の診療報酬に当たる金額として数万円。財前の家までの交通費または車が必要なのであれば、車の提供。恐らく診療及び処置は人目を避けるために勤務時間外になるかと思いますので、その手当として数万円のように診療に付随する金額の提示を。その他には、リスク対応費として、個人的に旅行する際に航空券の手配を、勿論ファーストクラス等の最上の座席を希望で構いません。勿論、一度きりでなく、この契約が続く限りで回数の上限は無しという事になります」
「………」
「それから、通うのが大変なのであれば、財前と同じマンションの部屋を差し上げることも可能です」
「待って下さい」
「はい」
「要するに、どんな条件でも呑むという事ですか?」
「仰る通りです」
呆れた。
本物の財閥の御曹司じゃない。
「今は頭が混乱して、何が必要なのかすら分からないので、後日改めてでもいいですか?」
「勿論です」
「これって、財前さんはご存じですか?」
「………いえ」
「でも、この提案自体は、酒井さんではないですよね?」
「はい。……社長ご夫妻の希望です」
「………分かりました」
「ご理解頂き感謝致します」
ちっとも理解なんて出来るわけないじゃない!!
何、……ファーストクラスって。
それも、一回限りでなく何度でも可能って。
車にしたって、数万じゃ買えないわよ?
見たこともないけど、彼が住んでるマンションの部屋をって、一体幾らするのよ?!
怖すぎて聞きたいけど聞けないじゃない!!