サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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「こんばんは、お疲れ様です」
「……お疲れ様」
二十三時過ぎ。
遅番勤務の彼女の帰宅時間に合わせて、駐車場で待ち合わせた。
俺の車の横でスマホ画面を見ていた彼女は、俺の登場に深々と頭を下げた。
従業員と違い、俺の車を停めてある場所は、要人専用の特別駐車場。
だから、人目を避けるのも容易で気を遣わなくて済む。
「どこで?……俺の家か?」
「いえ、ここで」
「ん?」
「後部座席に座って下さい」
何をする気だ?
車内で診察でもする気なのか?
言われるがままに後部座席に座ると、彼女も後部座席に座り、血圧や脈拍を取り始め、咽頭や眼球、腹部を調べ始めた。
「どうですか?疲労感はありますか?どこか痛いとか苦しいとか、違和感があったりしますか?」
淡々と診察をする彼女。
本当に車内で治療が出来るんだろうか?
疲労感は常時ある。
自宅には寝に帰ってるだけだし、帰宅しても二時頃まで仕事をすることが殆ど。
目の疲れは持病だから仕方ないとしても、体の怠さは何とかしたい。
「怠さは抜けない……かな」
「少し、向こう側を見れますか?」
「……こうか?」
窓の外を見るように言われ、体の向きを変えると、彼女は背中や肩を触り始めた。
「凝りがだいぶあるようなので、寝る前に軽いストレッチのようなものをしたり、シャワー浴でなく、しっかりと湯に浸かって下さいね」
「………」
「疲労回復用にビタミンB1、グリチルリチン酸、アミノ酸、パンテトン酸を配合してある点滴をしますね」
「ここで?」
「はい。小一時間ほどで終わるので、ちょうど着く頃に終わると思います」
「え?」
「今日は私が運転しますので、ご心配なく」
「………」