【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「ええ。女同士の秘密の話ってことね。私、こう見えても口は堅いから大丈夫よ」
それもアルベティーナを励まそうとしている彼女なりの気遣いなのだろう。アルベティーナは少しだけ口元をゆるませてから、言葉を紡ぎ出す。
「私……。シーグルード殿下の婚約者になりたくないの……」
アルベティーナの言葉にオティリエがピシッと固まったように見えた。お菓子に手を伸ばしかけていた彼女は、その手を引いて膝の上に落とした。
「どうして? 素敵なお話じゃない。殿下の婚約者候補なんて、普通、なりたくてもなれないのよ。この話が流れた時、婚約解消をしたいと騒ぎ出した令嬢まで現れたらしいわよ」
嘘か真かわからぬような話だが、実際にそういった話はあったようだ。だが、その令嬢が婚約解消をしたところで、シーグルードの婚約者候補として名を連ねることはないだろう。そう言って周囲が説得したという話も、アルベティーナの耳には届いてきていた。
というのも、騎士団の仕事にいくと今までと違った視線を投げられるようになったからだ。今まで以上に腫れ物に触れるような扱い。それでもルドルフが他の騎士達に何かしら釘を刺したようで、それ以降は大人しくなっている。だがその時に、騎士の一人が口にしていたのが『婚約者から婚約解消を持ち出された』という話。彼は苦笑していた。その後、彼の婚約がどうなったかは知らない。
それもアルベティーナを励まそうとしている彼女なりの気遣いなのだろう。アルベティーナは少しだけ口元をゆるませてから、言葉を紡ぎ出す。
「私……。シーグルード殿下の婚約者になりたくないの……」
アルベティーナの言葉にオティリエがピシッと固まったように見えた。お菓子に手を伸ばしかけていた彼女は、その手を引いて膝の上に落とした。
「どうして? 素敵なお話じゃない。殿下の婚約者候補なんて、普通、なりたくてもなれないのよ。この話が流れた時、婚約解消をしたいと騒ぎ出した令嬢まで現れたらしいわよ」
嘘か真かわからぬような話だが、実際にそういった話はあったようだ。だが、その令嬢が婚約解消をしたところで、シーグルードの婚約者候補として名を連ねることはないだろう。そう言って周囲が説得したという話も、アルベティーナの耳には届いてきていた。
というのも、騎士団の仕事にいくと今までと違った視線を投げられるようになったからだ。今まで以上に腫れ物に触れるような扱い。それでもルドルフが他の騎士達に何かしら釘を刺したようで、それ以降は大人しくなっている。だがその時に、騎士の一人が口にしていたのが『婚約者から婚約解消を持ち出された』という話。彼は苦笑していた。その後、彼の婚約がどうなったかは知らない。