【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
そこで、小さくオティリエは「あ」と呟く。もちろんアルベティーナは彼女のその小さな反応を見逃すわけがない。オティリエは間違いなく『しまった』という表情をしている。
「どうしたの? オティリエ。私には言えない何かがあるの?」
「ち、違うわよ……。その、王族に嫁ぐための最低条件というものを思い出しただけ。でも、これは今、関係ないわ。だって、あなたがそうだとは思えないもの」
オティリエの言う『王族に嫁ぐための最低条件』というものがなんであるか、アルベティーナにはさっぱり心当たりが無かった。というのも、ほんの数か月前まではあの辺境のヘドマン領にこもっていた彼女。そういった噂話とは縁遠い生活を送っていたのだ。
「ねえ、オティリエ。その『最低条件』って……」
「そうよ。王族に嫁ぐ者には処女性が求められるっていう件よ。もしアルベティーナがそうじゃなかったら、すぐに婚約者候補から落ちるわよね。むしろ今、婚約者候補として残っていないわよ」
恐らくオティリエは、アルベティーナも知っているものとしてそれを口にしたのだろう。だが、アルベティーナにとっては初耳だった。
「そ、そうなのね……。つまり、婚約者候補として名前があがったということは、そうであることが皆に知られてしまったというわけよね」
「そんなの表向きよ。そもそもあなたが誰とも婚約していないのだから。だから選ばれたに決まっているでしょう? あなたと同じ年代の方は、ほとんどが婚約しているか結婚しているかなんだから。この国では、婚前交渉は推奨されていないわ。まあ、相手が婚約者であれば別だけれど。つまり、今まで婚約者がいなかったあなたは、自然とそうだと思われているわけ」
「どうしたの? オティリエ。私には言えない何かがあるの?」
「ち、違うわよ……。その、王族に嫁ぐための最低条件というものを思い出しただけ。でも、これは今、関係ないわ。だって、あなたがそうだとは思えないもの」
オティリエの言う『王族に嫁ぐための最低条件』というものがなんであるか、アルベティーナにはさっぱり心当たりが無かった。というのも、ほんの数か月前まではあの辺境のヘドマン領にこもっていた彼女。そういった噂話とは縁遠い生活を送っていたのだ。
「ねえ、オティリエ。その『最低条件』って……」
「そうよ。王族に嫁ぐ者には処女性が求められるっていう件よ。もしアルベティーナがそうじゃなかったら、すぐに婚約者候補から落ちるわよね。むしろ今、婚約者候補として残っていないわよ」
恐らくオティリエは、アルベティーナも知っているものとしてそれを口にしたのだろう。だが、アルベティーナにとっては初耳だった。
「そ、そうなのね……。つまり、婚約者候補として名前があがったということは、そうであることが皆に知られてしまったというわけよね」
「そんなの表向きよ。そもそもあなたが誰とも婚約していないのだから。だから選ばれたに決まっているでしょう? あなたと同じ年代の方は、ほとんどが婚約しているか結婚しているかなんだから。この国では、婚前交渉は推奨されていないわ。まあ、相手が婚約者であれば別だけれど。つまり、今まで婚約者がいなかったあなたは、自然とそうだと思われているわけ」