【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「ああ、おはよう。早速で悪いが、この書類の仕分けを頼みたい。北の治水工事の案件なのだが、内容に一貫性がなくてな。スケジュールに関する案件、費用に関する案件、それ以外で仕分けてもらえないだろうか」
「承知しました」
グルブランソン王国の北にはテスファン川という大きな川が流れている。この川であるが、数年に一度、大雨によって氾濫するのが大きな問題となっていた。それを対策するために、やっと治水工事が始まるのだが、そのステファン川に面している各領主が出してくる書類に、どうやらルドルフは悩まされているらしい。全部が全部とは言わないが、どうやら虚偽の報告も紛れ込んでいるとか。それを見抜くためにも、いくつもの書類を確認し、現地の状況を調査したうえで、総合的に判断する必要がある。
ルドルフからその話を聞いていたアルベティーナは、言われた通りに仕分けすると共に、矛盾を感じる書類だけを個別に分けていた。これだけの書類に目を通すだけでも骨が折れるというもの。
カサカサと書類のめくる音だけが響く空間。だが、アルベティーナの左隣にはルドルフがいる。密着しているわけではないし、人ひとり分の空間を開けて隣にいるはずなのに、なぜか左肩だけが熱くなるような感覚があった。意識をしてしまうと、いつもより心臓が速く大きく鳴り出す。
「今日はもういい。そろそろ時間だろ」
ルドルフの声ではっとする。
「承知しました」
グルブランソン王国の北にはテスファン川という大きな川が流れている。この川であるが、数年に一度、大雨によって氾濫するのが大きな問題となっていた。それを対策するために、やっと治水工事が始まるのだが、そのステファン川に面している各領主が出してくる書類に、どうやらルドルフは悩まされているらしい。全部が全部とは言わないが、どうやら虚偽の報告も紛れ込んでいるとか。それを見抜くためにも、いくつもの書類を確認し、現地の状況を調査したうえで、総合的に判断する必要がある。
ルドルフからその話を聞いていたアルベティーナは、言われた通りに仕分けすると共に、矛盾を感じる書類だけを個別に分けていた。これだけの書類に目を通すだけでも骨が折れるというもの。
カサカサと書類のめくる音だけが響く空間。だが、アルベティーナの左隣にはルドルフがいる。密着しているわけではないし、人ひとり分の空間を開けて隣にいるはずなのに、なぜか左肩だけが熱くなるような感覚があった。意識をしてしまうと、いつもより心臓が速く大きく鳴り出す。
「今日はもういい。そろそろ時間だろ」
ルドルフの声ではっとする。