【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
そこで彼女はルドルフから視線を逸らし、目を伏せる。ルドルフもカップを口元へ運ぶ。どちらも言葉を口にせず、静寂だけが過ぎていく。
カップの紅茶を半分まで飲んだ頃、アルベティーナは意を決して口を開いた。
「団長」
「なんだ」
右眉をひくりとあげながら、ルドルフは顔をアルベティーナの方へ向けた。だが、アルベティーナは手元のカップに目を向けたまま、ルドルフの方を向こうともしない。
「あの……。私が殿下の婚約者候補になっていることは」
「ああ、知っている。だからこそ、毎朝お前に仕事を手伝ってもらっていることも、あいつには伝えている」
シーグルードのことを『あいつ』と言ってしまうあたりが、二人の仲の良さの表れなのだろう。
そこでルドルフはまた右眉をひくりと動かした。
「ああ、そういうことか。気が回らなくて悪かった。お前も誰かに言われたんだな。こうやって俺の仕事の手伝いをすることは良くないと」
「あ、はい。エルッキお兄さまから。お兄さまもどなたから苦言を呈されたみたいで。私の浅はかな行動が皆さまにご迷惑をおかけしているのかと……」
反省を匂わす言葉はいくらでも口から告いでくる。だが、アルベティーナが本当にルドルフに伝えたいのはそうではないのだ。
カップの紅茶を半分まで飲んだ頃、アルベティーナは意を決して口を開いた。
「団長」
「なんだ」
右眉をひくりとあげながら、ルドルフは顔をアルベティーナの方へ向けた。だが、アルベティーナは手元のカップに目を向けたまま、ルドルフの方を向こうともしない。
「あの……。私が殿下の婚約者候補になっていることは」
「ああ、知っている。だからこそ、毎朝お前に仕事を手伝ってもらっていることも、あいつには伝えている」
シーグルードのことを『あいつ』と言ってしまうあたりが、二人の仲の良さの表れなのだろう。
そこでルドルフはまた右眉をひくりと動かした。
「ああ、そういうことか。気が回らなくて悪かった。お前も誰かに言われたんだな。こうやって俺の仕事の手伝いをすることは良くないと」
「あ、はい。エルッキお兄さまから。お兄さまもどなたから苦言を呈されたみたいで。私の浅はかな行動が皆さまにご迷惑をおかけしているのかと……」
反省を匂わす言葉はいくらでも口から告いでくる。だが、アルベティーナが本当にルドルフに伝えたいのはそうではないのだ。