【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
それはアルベティーナがルドルフの執務室を訪れたことを、他の誰にも知られないようにするためだ。
「なら、先に湯浴みをするか? 奥に浴室がある。俺はそのままでもかまわないが」
ルドルフがアルベティーナの方に身体を向けると、両手を彼女の腰に回して抱き寄せる。ちょうど彼女の胸のあたりがルドルフの顔の高さと同じになったことをいいことに、彼はアルベティーナの胸元へ顔を埋めた。
「お前、いい匂いするな」
「だ、団長。何してるんですか」
「これから俺に抱かれようとしているのに、これだけで動揺しているヤツがあるか?」
名残惜しそうにアルベティーナから離れ、ルドルフはすっと立ち上がる。そして有無を言わさず彼女を横抱きに抱き上げた。
「奥に寝台がある。さすがにここでは嫌だろう?」
(どういう意味?)
抱きかかえられたまま、アルベティーナはルドルフのダークグリーンの瞳を見つめていた。その目を見ていると、つい吸い込まれてしまいそうな気分になる。
アルベティーナが連れていかれた場所は、執務室の奥に併設されている彼の休憩室だ。いつもお茶を淹れるときに利用していた部屋。さらに、奥には浴室までもある。騎士団長という立場にある彼は、仕事のために泊りがけになることも多々あるため、そういったときのために利用する部屋なのだ。
「なら、先に湯浴みをするか? 奥に浴室がある。俺はそのままでもかまわないが」
ルドルフがアルベティーナの方に身体を向けると、両手を彼女の腰に回して抱き寄せる。ちょうど彼女の胸のあたりがルドルフの顔の高さと同じになったことをいいことに、彼はアルベティーナの胸元へ顔を埋めた。
「お前、いい匂いするな」
「だ、団長。何してるんですか」
「これから俺に抱かれようとしているのに、これだけで動揺しているヤツがあるか?」
名残惜しそうにアルベティーナから離れ、ルドルフはすっと立ち上がる。そして有無を言わさず彼女を横抱きに抱き上げた。
「奥に寝台がある。さすがにここでは嫌だろう?」
(どういう意味?)
抱きかかえられたまま、アルベティーナはルドルフのダークグリーンの瞳を見つめていた。その目を見ていると、つい吸い込まれてしまいそうな気分になる。
アルベティーナが連れていかれた場所は、執務室の奥に併設されている彼の休憩室だ。いつもお茶を淹れるときに利用していた部屋。さらに、奥には浴室までもある。騎士団長という立場にある彼は、仕事のために泊りがけになることも多々あるため、そういったときのために利用する部屋なのだ。