【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「シ、シーグルード様」
せっかく侍女たちに化粧を施してもらったのに、シーグルードのせいで紅が取れてしまった。
「君は紅がなくても、充分に魅力的な唇をしている。このように」
彼がまた顔を近づけようとしてきたので、アルベティーナは両手で彼の顔を阻止した。
「冗談だ。そろそろ父も母も痺れを切らしそうだからね」
(誰のせいだと思っているんですか)
口にできない言葉を心の中で吐き捨ててから、アルベティーナはシーグルードの腕をとった。
シーグルードと並んで歩いていると、彼の護衛が付かず離れずの距離でついてきていることに気付いた。
「シーグルード様? 今日は、エルッキお兄さまではないのですか?」
「ああ、私の護衛のことか。彼はミラン・グラン。今日は彼が担当だ」
アルベティーナは突然、立ち止まる。シーグルードがわざとエルッキを外したようにも思えたからだ。彼を掴んでいる腕にも、ぐっと力がこもる。
「後で説明をする」
先ほどからシーグルードはそうやって誤魔化している。今は言えない、後で説明をする。だからこの後、彼に問い詰めようとアルベティーナは思っていた。
せっかく侍女たちに化粧を施してもらったのに、シーグルードのせいで紅が取れてしまった。
「君は紅がなくても、充分に魅力的な唇をしている。このように」
彼がまた顔を近づけようとしてきたので、アルベティーナは両手で彼の顔を阻止した。
「冗談だ。そろそろ父も母も痺れを切らしそうだからね」
(誰のせいだと思っているんですか)
口にできない言葉を心の中で吐き捨ててから、アルベティーナはシーグルードの腕をとった。
シーグルードと並んで歩いていると、彼の護衛が付かず離れずの距離でついてきていることに気付いた。
「シーグルード様? 今日は、エルッキお兄さまではないのですか?」
「ああ、私の護衛のことか。彼はミラン・グラン。今日は彼が担当だ」
アルベティーナは突然、立ち止まる。シーグルードがわざとエルッキを外したようにも思えたからだ。彼を掴んでいる腕にも、ぐっと力がこもる。
「後で説明をする」
先ほどからシーグルードはそうやって誤魔化している。今は言えない、後で説明をする。だからこの後、彼に問い詰めようとアルベティーナは思っていた。