【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
アルベティーナにとってコンラードの命令は絶対である。むしろ、ダンスに誘ってきた相手が相手であるため、ここで断る選択肢は無いだろう。頬を少しだけ火照らせたアルベティーナは、シーグルードの手をとった。
その瞬間、周囲が「わっ」と盛り上がった様にも感じた。振り返れば、コンラードとアンヌッカ、そして少し離れたところにエルッキが立っていて、じっとこちらを見守っている様子。何か失礼なことをしでかしてしまったら、きっとあの三人がなんとかしてくれるだろうという気持ちが、アルベティーナにわけのわからない自信となった。
豪勢なシャンデリアが光を反射してきらめく大広間で、アルベティーナは他のデビュタントたちよりも一際目立っていたかもしれない。何しろ、相手があの王太子殿下。兄たちと踊った時よりも、値踏みされているような視線がじっとりとまとわりついてくる。つまり、あの女性は王太子の相手として相応しいのかとの意味が込められている視線だ。少しでも失敗して弱みを見せれば、すぐさまシーグルードに相応しくない女性であると烙印が押されてしまうことだろう。
「緊張していますか?」
身体が密着した時、シーグルード彼女の耳元で囁いた。その声すらアルベティーナをより緊張へと誘うことなど、この男は知らないのだろう。
「はい……」
「初々しいですね」
張り詰めるような空気の中、アルベティーナは足がもつれそうになってしまう。それに気付いているのか、シーグルードのエスコートが踊りやすい。
その瞬間、周囲が「わっ」と盛り上がった様にも感じた。振り返れば、コンラードとアンヌッカ、そして少し離れたところにエルッキが立っていて、じっとこちらを見守っている様子。何か失礼なことをしでかしてしまったら、きっとあの三人がなんとかしてくれるだろうという気持ちが、アルベティーナにわけのわからない自信となった。
豪勢なシャンデリアが光を反射してきらめく大広間で、アルベティーナは他のデビュタントたちよりも一際目立っていたかもしれない。何しろ、相手があの王太子殿下。兄たちと踊った時よりも、値踏みされているような視線がじっとりとまとわりついてくる。つまり、あの女性は王太子の相手として相応しいのかとの意味が込められている視線だ。少しでも失敗して弱みを見せれば、すぐさまシーグルードに相応しくない女性であると烙印が押されてしまうことだろう。
「緊張していますか?」
身体が密着した時、シーグルード彼女の耳元で囁いた。その声すらアルベティーナをより緊張へと誘うことなど、この男は知らないのだろう。
「はい……」
「初々しいですね」
張り詰めるような空気の中、アルベティーナは足がもつれそうになってしまう。それに気付いているのか、シーグルードのエスコートが踊りやすい。