【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
本来であれば、『婚約の儀』の後に王城入りするアルベティーナを、シーグルードの我儘のせいで早めてしまったことを王妃は指摘しているのだ。だから、ヘドマン伯が王都にいなかったことを理由にして、預かっているという表現したにすぎない。
「アルベティーナ。『婚約の儀』は一か月後。それまでにも何度か、こちらに来てもらう必要はありますが、それまでは家族の元で過ごしなさい」
にっこりと微笑む王妃の顔は、やはりシーグルードによく似ていた。
「ありがとうございます」
アルベティーナは小さくその言葉を口にした。
こうしてようやく、アルベティーナは王都の別邸へと戻ることができたのだった。
帰りの馬車の中、アルベティーナはアンヌッカと並んで座った。いつもは、アルベティーナを着飾らせるために口うるさいと思っていた母親であるが、こうして久しぶりに会うと懐かしさと、言いたいことがたくさん込み上げてくる。
「お母さま、いろいろ相談したいことがあります」
「ええ、そうね。だけど、まずはあなたにお祝いの言葉を。シーグルード様のこと、本当におめでとう」
アンヌッカは「おめでとう」と口にした。そう言われると、誰からもその言葉をかけられていなかったことに気づいた。
「ティーナは殿下のことが好きなのか?」
腕を組んでむすっとした表情でコンラードが尋ねた。
「あら。あなた。娘をとられていじけているのね」
「アルベティーナ。『婚約の儀』は一か月後。それまでにも何度か、こちらに来てもらう必要はありますが、それまでは家族の元で過ごしなさい」
にっこりと微笑む王妃の顔は、やはりシーグルードによく似ていた。
「ありがとうございます」
アルベティーナは小さくその言葉を口にした。
こうしてようやく、アルベティーナは王都の別邸へと戻ることができたのだった。
帰りの馬車の中、アルベティーナはアンヌッカと並んで座った。いつもは、アルベティーナを着飾らせるために口うるさいと思っていた母親であるが、こうして久しぶりに会うと懐かしさと、言いたいことがたくさん込み上げてくる。
「お母さま、いろいろ相談したいことがあります」
「ええ、そうね。だけど、まずはあなたにお祝いの言葉を。シーグルード様のこと、本当におめでとう」
アンヌッカは「おめでとう」と口にした。そう言われると、誰からもその言葉をかけられていなかったことに気づいた。
「ティーナは殿下のことが好きなのか?」
腕を組んでむすっとした表情でコンラードが尋ねた。
「あら。あなた。娘をとられていじけているのね」