【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「それだけ、あなたのことが好きで、大事なのね。だったら、あなたは真実を知る必要があるわ。シーグルード殿下の思いを受け止めるためにも」
「はい……」
 アルベティーナが頷くと、アンヌッカは彼女の両手に自分の手を重ねてきた。

「あなた。昔から自分の髪の色が私と違うことを気にしていたでしょう?」
 アンヌッカの言葉にアルベティーナはゆっくりと頷く。気にしていたからこそ、染めていたのだ。母親と同じ髪色になるように。
「うすうすあなたも感じていたかもしれないけれど……。私とあなたに血の繋がりはないの……」
 ずっと軽かったアンヌッカの口調が重くなったのは、やはり口にしにくいと思ったからなのだろう。
「そう、ですか……」
 ずっとなんとなくそんな気がしていたアルベティーナは、意外と冷静にそれを受け止めることができた。父親とも母親ともそして二人の兄たちとも、外見が違い過ぎるのだ。染め粉で髪を染めて、なんとかアンヌッカに似ているところを作り出す程度。
「そんな顔をしないで。たとえ血の繋がりがないとしても、あなたは私の可愛い娘なのよ」
 アンヌッカが握っている手に優しく力を込めた。それはアルベティーナを安心させるかのように。
「お母さま……」
「だけど、もう少しお話をしましょうね。こんな中途半端なところで終わってしまっては、あなたも嫌でしょう?」
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