【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「お菓子もどうぞ」
マティアスは眉尻を下げて、お菓子の入ったバスケットを差し出す。お茶はまだ一口しか飲んでいない。
(まだ、大丈夫)
きつく締め付けられたコルセットの下で、心臓が大きく動いている。けして今飲んだお茶のせいではない。ただ、酷く緊張しているだけだ。
「アルベティーナは、どんなお菓子が好きなのかな。兄として、妹のことは知っておきたいな」
隣のマティアスが「兄」と口にすると、嫌悪感がアルベティーナを襲った。このような卑怯な人間と血の繋がりのあることを信じたくはない。
マティアスはアルベティーナが菓子を手にしないと、そのバスケットを引き下げるつもりはないようだ。クッキーを一枚、つまんだ。
「そうか。アルベティーナはそういった焼き菓子が好きなんだね。料理人に頼んでたくさん作らせよう」
言いながらも、アルベティーナがクッキーを口に入れるまで、じっと見つめている。仕方なく、口の中へゆっくりと入れる。
(これも……)
アルベティーナが口にするもの全てに、あのときの嫌な味がする。
「私を、どうするつもりですか?」
「そうか……。勘は鋭いのか」
マティアスがカップに手を伸ばしかけたとき、アルベティーナは彼のカップを奪って一気に飲み干した。
マティアスは眉尻を下げて、お菓子の入ったバスケットを差し出す。お茶はまだ一口しか飲んでいない。
(まだ、大丈夫)
きつく締め付けられたコルセットの下で、心臓が大きく動いている。けして今飲んだお茶のせいではない。ただ、酷く緊張しているだけだ。
「アルベティーナは、どんなお菓子が好きなのかな。兄として、妹のことは知っておきたいな」
隣のマティアスが「兄」と口にすると、嫌悪感がアルベティーナを襲った。このような卑怯な人間と血の繋がりのあることを信じたくはない。
マティアスはアルベティーナが菓子を手にしないと、そのバスケットを引き下げるつもりはないようだ。クッキーを一枚、つまんだ。
「そうか。アルベティーナはそういった焼き菓子が好きなんだね。料理人に頼んでたくさん作らせよう」
言いながらも、アルベティーナがクッキーを口に入れるまで、じっと見つめている。仕方なく、口の中へゆっくりと入れる。
(これも……)
アルベティーナが口にするもの全てに、あのときの嫌な味がする。
「私を、どうするつもりですか?」
「そうか……。勘は鋭いのか」
マティアスがカップに手を伸ばしかけたとき、アルベティーナは彼のカップを奪って一気に飲み干した。