【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
石造りの廊下を、マティアスに腕を引っ張られながらアルベティーナは奥へと進む。小さな窓から入り込む太陽の光が、仄かに廊下を照らしている。
一番奥の突き当り。チョコレート色の扉の前にはイリダルが立っていた。マティアスはイリダルなどいないかのように扱い、扉を開ける。
さらに地下へと続く石造り階段が続いていた。壁も石造りで、今の扉を閉めてしまえば光は入ってこない。真っ暗な闇。
マティアスはイリダルから燭台を受け取る。
「暴れるなよ」
腕をとられたアルベティーナは、空いている手で冷たい壁に触れながら、もつれそうになる足をゆっくり前へと進める。心許ない燭台が微かに足元を照らす。石でできている歪な階段は、気を抜くとすぐに足を踏み外してしまいそうになる。
階段を降りたマティアスは、燭台で扉の取っ手を探り、燭台を持ったまま取っ手を引き下げ、扉を開けた。
その部屋にいたのはドロテオだ。彼がアルベティーナの夫となるべき人物だったのだろう。アルベティーナと共に、マティアスの『駒』として相応しい人間。
「ドロテオ。状況はかわった。お前はこの部屋から出て行け」
「マティアス様?」
「お前は耳が聞こえないのか? 部屋から出て行けと僕が言ったら、お前は部屋を出ていくんだよ。アルベティーナを抱くのは、この僕だ。だからお前はさっさと部屋から出て行け」
ドロテオは驚いたように立ち上がると、言われた通り急いで部屋から出ていった。
一番奥の突き当り。チョコレート色の扉の前にはイリダルが立っていた。マティアスはイリダルなどいないかのように扱い、扉を開ける。
さらに地下へと続く石造り階段が続いていた。壁も石造りで、今の扉を閉めてしまえば光は入ってこない。真っ暗な闇。
マティアスはイリダルから燭台を受け取る。
「暴れるなよ」
腕をとられたアルベティーナは、空いている手で冷たい壁に触れながら、もつれそうになる足をゆっくり前へと進める。心許ない燭台が微かに足元を照らす。石でできている歪な階段は、気を抜くとすぐに足を踏み外してしまいそうになる。
階段を降りたマティアスは、燭台で扉の取っ手を探り、燭台を持ったまま取っ手を引き下げ、扉を開けた。
その部屋にいたのはドロテオだ。彼がアルベティーナの夫となるべき人物だったのだろう。アルベティーナと共に、マティアスの『駒』として相応しい人間。
「ドロテオ。状況はかわった。お前はこの部屋から出て行け」
「マティアス様?」
「お前は耳が聞こえないのか? 部屋から出て行けと僕が言ったら、お前は部屋を出ていくんだよ。アルベティーナを抱くのは、この僕だ。だからお前はさっさと部屋から出て行け」
ドロテオは驚いたように立ち上がると、言われた通り急いで部屋から出ていった。