【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「ああ、そうだ。とりあえず、子種さえ注いでしまえばいいんだ」
 マティアスはアルベティーナの両手を掴むと、彼女の頭の上でその両手を縛り上げる。縛り上げるような紐を準備していたのかと思いきや、寝台の支柱にくくりつけられていたカーテンをまとめていたタッセルだ。
 すすっとスカートの内側にマティアスの手が伸びてきた。彼が狙っている場所など一つしかない。アルベティーナの足を大きく開くために、マティアスの両手はアルベティーナの膝にかけられた。
(今だわ……)
 下半身を押さえつけていた重みがなくなった途端、アルベティーナは立てた右ひざを大きく左右に振った。
 ゴスッ。と何かに当たる感触があった。
「くっ……」
 どうやらマティアスの左側のこめかみに命中したようだ。呻いた彼は、左手でこめかみを押さえながら、右手で乱暴にアルベティーナの胸座をつかんだ。
「このっ……」
 ドレスは音を立てて破かれる。それでもアルベティーナは必死に抵抗し、少しでも時間を稼ごうとしていた。
「くそっ……。お前、なぜそんなに動くことができるんだ」
 やはりマティアスはアルベティーナの動きに疑問に思ったようだ。
「あなたに、教えるわけがないでしょう?」
< 212 / 231 >

この作品をシェア

pagetop