【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 アルベティーナが今日という日に身に着けているドレスは、ミッドナイトブルーのドレス。普段の彼女よりも、大人っぽく見える。
「ティナに、会わせたい人がいるんだ」
 シーグルードが優しく笑むと、さわりと夜風が肌に触れる。
「君の、もう一つの家族……」
 もう一つの家族と言われても、母親は亡くなったと聞いているし、父親はマルグレットの前王となれば、父親も死んでいる。その言葉にアルベティーナは首を傾げることしかできない。
 あとの家族と呼べるような人物は、半分だけ血の繋がった兄であるマティアスだが、彼らは地下牢にいて、マルグレットへの引き渡し時期を決めている最中であると聞いている。
 となれば、これから家族になるシーグルードの関係者だろうか。だが、彼の両親である国王と王妃には既に会っている。
 シーグルードが合図をするかのように振り返ると、もう一人の男が現れる。その男にアルベティーナは見覚えがあった。
「えっ? ミランさん?」
 ミランはシーグルードの護衛騎士だ。エルッキと共にいることも多い。
 だがアルベティーナは、ふと気づいた。シーグルードとミランも、どこか共通点があるのだ。今までは気づかなかった何気ないこと。シーグルードもミランも金色の髪。絹糸のように細く、サラサラと流れている。ミランは長い金髪を一つにまとめており、それが彼の特徴の一つでもある。
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