【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「あの人……。マティアスは、私がマルグレットの前王の娘だと……」
「なるほどね」
 ミランは腕を組む。シーグルードはアルベティーナの隣で、くくっと笑っている。
「シーグルードさまっ」
 彼に笑われたことが恥ずかしく、アルベティーナはつい声を荒げてしまう。
「ごめん、ティナ。まさか、あのバカの話をそこまで信じているとは思わなかった」
「それは……。それは、誰も私に本当のことを教えてくださらないから……。私、本当の両親のことも、ずっと……、知らなかった……」
「ごめん……」
 そう言って、アルベティーナを抱き締めたのはミランだった。
「本当はすぐにでも、君の兄であることを名乗りたかった。だけど、それは君を巻き込むことになるし。いや、どちらにしろ、巻き込んでしまった」
「ミランさん……。お兄さま……?」
 ミランに抱き締められたアルベティーナは、ヘドマンの家族と共にいるときのような安心感に包まれた。
「私を、兄と呼んでくれるのか?」
 アルベティーナはミランの腕の中で、小さく頷く。シーグルードにも似ているミラン。そして、アルベティーナと同じ瞳の色を持つミラン。何よりも、このように彼に抱き締められると、どこか懐かしい感じがする。
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