【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「ミラン……。悪いが、そろそろ離れてもらってもいいか?」
 シーグルードの声が邪魔をする。
「本当に殿下は……。アルベティーナのことを好きすぎるのは昔からお変わりない」
「ふん」
 アルベティーナはミランから解放されるとすぐに、シーグルードに抱き寄せられた。腰にしっかりとシーグルードの手が回っている。
「アルベティーナ。君があのマティウスから何を吹き込まれたのかは知らないが、私たちの父親はマルグレットの前王ではない。今の国王だよ」
「えっ」
 シーグルードがそうやって手を回していなかったら、アルベティーナは倒れていたかもしれない。それだけ、彼女にとっては意外な話だった。
「君を身籠った母を、父はグルブランソンに逃がしたんだ。母が伯父……前王に狙われていることを知っていたからね。あの人は、女性に見境がなかったから。それに、王族の血を引いているという意味では、私も君も、当時はいろいろと危なかったんだ。それを受け入れてくれたのが、このグルブランソン……。父が留学したときに、いろいろと世話になったとも言っていたしね」
 アルベティーナは小さく震えていた。先ほどから、その震えが止まらない。
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