【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「違う、違う。久しぶりに休暇が取れたんだ。それから、ティーナには別な話を持ってきた」
「縁談でしたらお断りです」
間に入ったのは、母親であるアンヌッカだ。
「違います、母上。縁談ではありません」
「でしたら、どのような用事ですか」
珍しくあのアンヌッカが身を乗り出した。それはアルベティーナの噂と縁談のことを一番気にしている人物だからだろう。
「まあ、これを言えば。母上は卒倒されるかもしれませんが」
どうやらアンヌッカが倒れる前提の話題らしい。
「王国騎士団では、やっと女性騎士を採用することになったのですよ」
セヴェリがそのようなことを口にした通り、現在の王国騎士団に所属する騎士たちは男性のみである。女性王族や要人の警護でさえ男性がつく。だから、いやたまに、それよりもときどき、ちょっとした問題が起こる。ちょっとどころでない問題が起こることもある。
「それで、その王国騎士団の女性騎士に……」
「あぁ、聞きたくないわ」
アンヌッカはゼヴェリの話を聞きたくないのか、両手で両耳を塞いだ。その様子を見ていたアルベティーナだが、その気持ちがわからないでもない。何しろ彼女はアルベティーナに『お淑やかさ』を求めているのだ。
「母上。人の話は最後まで聞きましょう」
セヴェリがアンヌッカを宥めるかのように、優しく言葉を続ける。
「縁談でしたらお断りです」
間に入ったのは、母親であるアンヌッカだ。
「違います、母上。縁談ではありません」
「でしたら、どのような用事ですか」
珍しくあのアンヌッカが身を乗り出した。それはアルベティーナの噂と縁談のことを一番気にしている人物だからだろう。
「まあ、これを言えば。母上は卒倒されるかもしれませんが」
どうやらアンヌッカが倒れる前提の話題らしい。
「王国騎士団では、やっと女性騎士を採用することになったのですよ」
セヴェリがそのようなことを口にした通り、現在の王国騎士団に所属する騎士たちは男性のみである。女性王族や要人の警護でさえ男性がつく。だから、いやたまに、それよりもときどき、ちょっとした問題が起こる。ちょっとどころでない問題が起こることもある。
「それで、その王国騎士団の女性騎士に……」
「あぁ、聞きたくないわ」
アンヌッカはゼヴェリの話を聞きたくないのか、両手で両耳を塞いだ。その様子を見ていたアルベティーナだが、その気持ちがわからないでもない。何しろ彼女はアルベティーナに『お淑やかさ』を求めているのだ。
「母上。人の話は最後まで聞きましょう」
セヴェリがアンヌッカを宥めるかのように、優しく言葉を続ける。