【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 アルベティーナは目をくりっと大きく見開いた。その様子を見ていたシーグルードはふふっと笑みを零す。
「本当に、君は見ていて飽きませんね」
「殿下。そろそろ本題をお願いします」
 セヴェリが頭を下げたのは、シーグルードがアルベティーナで遊んでいるため、なかなか話が進まないと判断したからだろう。
「相変わらずセヴェリは冗談が通じませんね。まあ、いいでしょう」
 そこでシーグルードはアルベティーナのことをじっと真っすぐに見据えた。
「君だけが警備隊に配属された意味を、わかっていますか?」
「いえ……」
 いきなりそのようなことを問われても、セヴェリが口にした『若いから』以外の理由に心当たりは無い。
「君には囮になってもらいたいと思っています。警備隊は、私の直轄ですからね。私が自由に動かすことができる唯一の隊です」
(囮ってどういうこと? セヴェリお兄さま、話が違うではありませんか)
 アルベティーナは隣に立つセヴェリをじっと見上げた。だが、セヴェリも知らなかったのだろう。彼の顔には困惑の色が浮かんでいる。
「少し話が長くなりそうですので、場所を変えましょう」
 シーグルードが席を立ち、二人にソファに座るようにと促した。アルベティーナはセヴェリの隣に背筋を伸ばし、両手を丸めて揃えた膝の上において座る。
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