【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「隣国のマルグレット国の、現国王についてはご存知ですね?」
 アルベティーナは頷いた。
 マルグレットはヘドマン辺境領とはこの王都を挟んで反対側の国。ヘドマン辺境領から最も遠い隣国という表現がしっくりくるのかもしれない。
 そのマルグレットの現国王は前国王の弟。現国王が亡くなったときに国王となった。もちろん、そのときにもう一人の国王候補として名をあげたのは、前国王の息子である当時の王子。王弟か王子か。どちらを国王にするかと、随分揉めたようだ。つまり王弟派と王子派に分かれ、少し血生臭い争いが起こる。そこで勝利を治めたのが王弟派であり、王子と前王妃は亡命し、王子派の人間たちは処刑された、と聞いている。どこの国が王子と前王妃を匿っているのかは知らないが、恐らく前王妃の故郷であるライネン国ではないかとも言われていた。
「マルグレットの国王が代わってから、我がグルブランソン国もマルグレット国とはいい関係を築けていると思っているのです」
 それはマルグレットの現国王が、このグルブランソン国に留学していたことがあった事実も深く関わっているのだろう。
「ですが、マルグレットの前国王派が、このグルブランソン国で何やら不審な動きをしているようでしてね」
 そこでシーグルードは声を潜めた。
「不審な動き、ですか?」
 アルベティーナは思わず尋ねた。するとシーグルードは大きく頷く。
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