【受賞】隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「現国王は我がグルブランソンと良好な関係を築いています。その関係を壊したいと思っているような輩がいるようなのですよ。このグルブランソンから女性を攫ってはマルグレットの娼館や変態に売りつけているとのこと」
 辺境の地にずっといたためか、アルベティーナはそのような話を耳にしたことはなかった。だが、プレヴィール子爵が関わっていた人身売買。もしかして、今シーグルードが口にした内容に、それも関わっているのだろうか。
「そこでアルベティーナ、あなたにお願いしたいのは、その人身売買の関係者が集うと言われている裏のパーティ、いわゆる裏社交界と呼ばれるものですね。そちらに参加していただきたい」
 裏社交界――。
 アルベティーナはそのような言葉を耳にしたことがない。だから、そこがどのような場所であるのかなど、まったく予想もつかない。
「もちろん、あなた一人で潜入(せんにゅう)して欲しいとは言いませんよ」
 そこでシーグルードはどこかに目配せをした。するとどこに隠れていたのか、この王国騎士団団長を務めるルドルフがすっと姿を現したのだ。
「あなたのパートナーはこのルドルフです。騎士団長でありながら、警備隊長も務めているので、彼も私の直下となります」
(え、ルドルフ団長と?)
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