エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 ちょうど席を立ったふたり組を見かけ、空いた場所に向かって篠を引っ張る。

 私は疲れていたのもあってすぐに腰を下ろしたのに、篠は隣で立ち尽くしていた。

「座らないの?」

「……癖で」

 苦笑いした篠が私から少し遅れてベンチに座る。

「座らないのが癖って。椅子で休まないように、みたいな訓練もあるの?」

「訓練というか、考え方を叩き込まれる感じだな。災害用の避難所で俺たちが休憩スペースを占領するわけにはいかないだろう」

「それは……たしかに」

 周囲の人々は景色に夢中なのか、あまりベンチに座ろうとしない。

 がらんとしたベンチで篠と肩が触れ合い、また彼の体温を意識してしまう。

< 136 / 376 >

この作品をシェア

pagetop