エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 怪我がないことといい、たまたま流れ着いた場所といい、万にひとつの奇跡を掴んだのだろう。

 肩にかけていたはずのバッグがなくなっていたため、近くにないかとさらに手を動かす。

 不意に瓦礫でも泥でもない、それでいてやわらかいものに触れた。

「……ふ、ぇ」

 弱々しい声が聞こえてぞっとする。

 どうして自分がこんな状況になったのかを思い出した。

「だ、大丈夫?」

「おかあさん……?」

 この子は、崩れた道の向こうに投げ出された子供だろう。

 掴んだ手は放れても、幸い同じ場所にたどり着けたようだ。

「ごめんね、お母さんじゃないんだ。でももう大丈夫だよ」

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